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JUN OKAMOTO 2015-16 Autumn & Winter 「Lumiere / リュミエール」

皆さんこんにちは

早いもので、もう秋冬のお洋服に触れる そんな時期になってきました

まだ夏も来てませんが新しいコレクションをわくわくしながら眺めています



さて、そんなコレクションのお楽しみでもあるJUN OKAMOTOのシーズンストーリーが届きました

今回も世界観あふれるストーリーと共に素敵なお洋服をお楽しみ頂けますよ

JUN OKAMOTOファンの方もそうでない方も是非読んでみてください





JUN OKAMOTO 2015-16 Autumn & Winter

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「Lumiere / リュミエール」


「ここのカラスたちはみんな奇麗なの、街に降りた事がないから。」

彼女はそう言って、カラスの方を見ていた。



僕は、何故カラスが街に降りた事がないのか分かるのだろうかと、彼女に尋ねてみた。


「簡単よ、街に降りたカラスは二度と山には戻って来ないから。」



冬の冷たい空気で鋭利に輝く青空と、深く重い木々の緑の色は、この国の寒さを物語るには充分な色彩だった。

僕はポケットに手を入れ、子供のころによく眺めていた、広葉樹林の鮮やかに変化する葉の色と、冬の抜けるような青空とのコントラストを懐かしく思い返していた。


ふいに遠くの方で、馬の鳴き声に似た楽器のノイズが聞こえてきた。

そのノイズは、薄い膜のような空気の層を簡単に裂き、一点をじっと見つめていたカラスは、空気が変わったのに気がついて、飛び立っていった。


「街に降りないでね。」

彼女はそう呟き、僕の手を取って立ち上がり歩き始めた。



森の中に入ると、深い緑色をした草原が現れた。

草原に見えた緑は全て分厚い苔で出来ていて、

僕らはその湿原の中の深い一本の溝の道を頼りに歩いた。



「これはね、羊が作ってくれた道なの。」


僕は深い緑の苔の草原を、真っ白な羊が群れを成して歩いていき、少しづつ苔が削られ、

それが長くしっかりとした一本の道になっていく過程を想像し、

(眠くなりはしなかったが、)穏やかな気分になった。



そうやって歩いているうちに、大きな広場に出た。

前方のステージには大きな垂れ幕がかかり、

その後方には、しんと静まりかえった森が広がっていた。

厚い雲の隙間をすり抜けた太陽が、時折地上に力強く温かな光の筋をつくった。



時間が近づくにつれ、会場は人で埋め尽くされていった。

垂れ幕の向こうでは、神経質に機材をセッティングする人の気配と、

様々な楽器の調律音が聞こえてきた。



僕はポケットからウイスキーを取り出し一口飲み、彼女に手渡した。



目を閉じると4つのピアノの音が聞こえてきた。



「もう別れよう。」

僕は泣き叫ぶ彼女の腕を掴んでそう言った。



壁に丁寧に飾られていた彼女のお気に入りの蝶の標本たちも、

彼女が毎日水を換えていた赤いラナンキュラスも、

僕に投げられた枕から飛び出た羽毛と共に床に散らばっていた。




彼女は僕の言葉が耳に届いたのか、電池が切れたようにその場に塞ぎ込んだ。

僕は色の欠いた彼女の目を見ていられなくなり、

自分の罪を認めないだけでなく、その場から逃げだした。



部屋に残っていたピアノの音は、レコードの針がカタンという音を立て、

またさっきと同じところを演奏し続けた。




目を開けて彼女を見た後、僕はそっと彼女の頬をつたっていた涙を拭いた。

彼女はじっとしたまま静かに目を開け、表情を変えずに垂れ幕の向こう側を見つめていた。

霧はさらに濃くなり、会場全体の気温はぐんと下がり、

さっきまでかろうじて出ていた太陽は既に消えていた。




垂れ幕に赤い光が当たり、彼らの影が大きく映し出され、

浮き上がるような電子音が辺りを優しく包み始めると、

大地を蹴り上げるような力強い馬の足音に似たサウンドが響き始めた。

その音はどんどん近づいてきて、思いステップが心臓の鼓動を消し去った後、

彼の透明な叫び声が辺りを呑み込んだ。




既にそこには垂れ幕はなく、彼らの周りには、無数のライトが星空のように取り囲んでいた。

その光の渦は音と共に様々な色に変わり、大きさも変え、

彼らの姿と楽器の影を映し続けた。彼の歌声と全てのサウンドが最高潮に達した時、

その光の群が、僕らの方に向かって降り注いできた。

全ての事柄が一瞬で、目の前のものが本当の光なのか紙切れなのか分からなかったけど、

そこにはキラキラしたもので満ちあふれていた。




彼女はその光の中の一部を僕に手渡した。

僕は手のひらにその暖かみを感じながら、彼女に赦された事に感謝した。



「ねえ、知ってる、この国には人よりも羊の数のほうが多いのよ。」


彼女はそう言って僕の前を歩いていた。


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いつも想像力を掻き立てられるJUN OKAMOTOのストーリー。

タイトルが“光”なだけあって、大好きなキラキラしたお洋服たちに出会えるのではと私もとても楽しみです

少しづつご紹介&嬉しいお知らせもございますので、今後のブログもお見逃しなく!!




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